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コラム

COLUMN

2022.06.15

続 耐震性チェック(耐震診断)が必要な建物とは?


前回、耐震性チェックが必要な建物について、築年数や構造、建物の履歴の3点を挙げて解説させて頂きました。

今回はもう少し具体的に「木造在来工法の建物」に注目して掘り下げていこうと思います。

(※ただ、今回だけでは解説しきれないので次回、第3弾も考えています。)

1.木造在来工法について

 

1-1.なぜ「木造在来工法」なのか

 

なぜ「木造在来工法」を取り上げて解説するのか…

答えは「地震の際に一番多く被害が予測されている工法」だからです。

過去の震災で家屋倒壊などの被害が最も多かった事がその原因です。

 

こう言うと「在来工法は地震に弱い」と短絡的に結論づけてしまう方もいるかと思いますが「在来工法は決して地震に弱くありません」

被害が多いのには様々な別の理由があります。

 

1-2.「木造在来工法」被害の原因

 

被害が多かった一番大きな理由は「日本で一番多く建てられている工法」だからです。

母数が多いのですから、当然被害件数も多くなります。

また「在来工法」は昭和初期(20〜30年代)から一般的に建てられている工法であり、震災時にそれなりの築年数に達した建物も多いことも被害が多くなった原因とも言えます。

年代によっては耐震技術の不足から当時の「在来工法が弱かった」という事実も否めません。

前回の記事(耐震性チェック(耐震診断)が必要な建物とは?)こちらの記事(建築基準法の変遷 ~災害の歴史とともに~)の中でも解説しましたが、先の地震災害などがある度に、建築基準法が都度改正されてきました。それ故に年代の古い建物は、いくら丁寧に造られていても、設計自体が求められる耐震性を満足できていない事があります。

特に平成12年と昭和56年の基準法改正以前に建てられた建物は優先的に耐震性チェックを行う必要があるのは前回解説した通りです。

 

2.注意すべき構造

 

ここからは更に具体的な構造を例に「耐震性チェック(耐震診断)が必要な建物」を解説していきます。

2-1.壁が少ない家

 

在来工法は主に「壁」が耐震性を担います。正確には壁の中にある「筋交い」が柱を支える事で横からの力(地震力)に耐えます。

筋交い

壁が少ない=窓(開口)が多い

入口や窓、小さくは換気扇などの開口がある場合、中に筋交いを入れられません。故に筋交いが少なくなります。

また、見た目は「壁」でも筋交いが入らない壁もあります。

建具を引き込む為の薄い壁(半壁と言います)や、和室に見られる真壁(柱の内側にはる和風様式の壁)の場合も筋会いが入るスペースが限られます。

見た目の壁が多くとも引戸の多い家や和室の続き間のある家などでは、結果的に「壁が少ない」事があり得ます。

和室

2-2  壁が偏っている家

 

壁が沢山あっても配置バランスが偏っている場合も耐震性の低下に繋がります。

御神輿を担ぐ時に人数は充分足りていても、前後左右の配置が偏っていると人数の少ない箇所が崩れてしまい上手く担げなくなります。同様に、建物の東西南北に配置された壁の偏りも大きな影響があります。

配置バランスについては、平成12年の建築基準法で「偏心率」や「四分割法」という数値で規定された項目でもあります。

一般的には建物の南側に窓が集中して壁が少なくなり、北側に水廻り等の小さい部屋を多く配置する事で壁が比較的多くなる傾向があります。また、近年はLDKなど大きな部屋の間取りが多くなり、その傾向が強まっているケースも見受けられます。

 

2-3.形が複雑な家

形によっても強さに差が出ます。形の中で一番強固なのは「角」の無い球(円)と言われていますが、建物としては現実的ではありません。なので、建物としては単純な四角形(立方体)が強いと言えます(中には六角形など特殊に強い家の形もありますが)。

L字型やコ字型の家など形が複雑な家の場合、個々の四角形が繋がっている部分に複雑に力が加わる事で思いもよらない破壊が起きたりする可能性から耐震性に影響があります。

間取り

また、複雑な形の家は間取りも特殊になる事で、壁も配置し辛く偏ってしまう事があるため耐震性に影響を及ぼすケースが多くあります。

 

2-4.2階の真下に壁が少ない家

 

一般的な2階建て住宅では1階よりも2階部分が小さい家が多いと思います。その真下に壁の配置が少ない場合も耐震性への影響が考えられます。上階の荷重を地面に伝えて支える構造上、真下から支えるのが一番効率良く力を伝えられる為です。和風住宅の多くの場合、和室と縁側の境目が2階の外壁線直下にあたる事が多く、更に多くの場合はそこに壁がないものです。

和風住宅

 

耐震設計をする際、この「2階直下の効率の良い壁」も「そうでない効率の悪い壁」も耐震性を表す診断上の数値は同じ様に計算される為、注意が必要です。

最近では「直下率」という数値で表される様になり、耐震性を左右する重要な数値として重要視されてきています。

 

3.まとめ

 

ここまで、耐震性のチェックを必要とすべき建物について色々解説してきました。

「耐震性チェック=耐震診断」を行うには、然るべき所に依頼する必要があったり、費用がかかったり、耐震診断を受けるのを躊躇っている方が多くいらっしゃると思います。

中には「調べる事で耐震性が低い事実を知る事が怖い」と言う方も…病気が発覚することを懸念して健康診断を躊躇う方と同じですね。

気持ちは分からないでもないですが、ちょっとした治療で治る場合もありますし、もし重症だとしても弱点を知る事で対処できる事もありますし部分的な治療で最悪の事態を免れる事もあるはずです。

 

以前にも言いましたが、耐震性は「命」に直結する事柄です。

少なからず心配に思う方がいらしゃったのなら、一歩踏み出して耐震診断を受けてみる事をお勧めします。

 

最初でお伝えした通り、このテーマについての解説は前回と今回だけではとても解説しきれません。続々編も考えておりますので宜しくお願いします。

 

今回の記事が、皆さんの大事な建物と家族の命を守る一助になれば幸いです。