シロアリ図鑑

シロアリは形態や生活様式がクロアリに似ていますが、まったく異なる生き物です。約3万種類の昆虫の中で木材を栄養にしている唯一の昆虫、それがシロアリです。ここでは、クロアリとの違い、住宅に被害を与えるシロアリの種類、分布についてご説明します。

シロアリの生態・分布図

床下はシロアリの好む木材が多く、また、暗く湿気が高いため、地面から建物内部に侵入するシロアリが好む環境です。
シロアリはわずかな隙間からも侵入する為、床下がコンクリートでも被害が確認されています。

シロアリの生態・分布図

シロアリの組織と働き

  • 4月中旬~5月中旬、雨上がりの蒸し暑い日の昼間、 黒っぽい色をした無数の羽アリが、台所・浴室・トイレなどから続々はい出して、つぎつぎ飛び立っていくのを見かけます。 これがヤマトシロアリの郡飛(巣立ち)です。
    雌雄一対となって羽アリは、羽が取れて、地上に降りて新しい巣=社会(コロニー)を形成します。 シロアリの社会はミツバチや普通のアリと同じように、数万匹がひとつの家族となり、 その中では階級による分業システムで、整然と社会生活が営まれています。その元となる王と女王が、この一対の雄と雌なのです。

  • シロアリの組織と働き図

コンクリート、プラスチックでも穴をあける!

コンクリートや新建材にも、蟻道を作るため穴を開けますので、鉄筋コンクリートの住宅でも侵入していきます。

  • 蟻道

    シロアリは乾燥に弱い為、外気にあたることを嫌います。
    その為、蟻道(排泄物や土を混ぜて作った蟻の通り道)と呼ばれるトンネルを作り、被害箇所を行き来します。

  • シロアリの組織と働き図

建物を加害するシロアリの種類

日本には現在22種類のシロアリが生息しており、 そのうち住宅に加害するシロアリはヤマトシロアリを含む6種類と言われています。ここでは、その中でも主なシロアリ3種類の写真と特徴をご紹介します。

ヤマトシロアリの生態

本種は乾燥に弱く、また水を運ぶ能力がないので常に湿った木材中で生活し、 蟻道を加工して地中やコンクリートの表面などを移動する。 特別に加工した固定巣はなく、加害部の一部に生殖虫がおり、 乾燥や高湿で条件が悪くなると生殖虫も含めて移動する。

建築物に侵入すると、土台・柱・筋交い・床束・大引・根太・床板など建物下部分で多少とも湿った部分を加害し、 特に水を使用する風呂場・台所・便所・洗面所などが被害を受けやすい。 雨漏りや給排水管の漏水、結露などの給水源がある場合には、 壁の内部や軸組材から小屋組材まで加害される場合がある。

※(社)日本しろあり対策協会発行『しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識』より抜粋

分布 北海道の一部を除く全国
加害木材 速度緩慢、床下の部材を主に加害する
加害力 湿潤な木材を食害
加害場所が巣を兼ねる
1巣内の数 1万~5万頭
生態型 地下シロアリ型
羽アリ 体長4.5~7.5mm、 黒褐色、全胸背板が黄色、 4月~5月頃の雨上がりの昼間に飛び立つ、 走行性なし

イエシロアリの生態

世界のシロアリの中でも最も加害の激しい種類で、建造物や生立木に大害を与えている。 建築物や切り株、樹幹などの地下部や地上部に特別に加工した塊状の巣を作り、そこから蟻道を延ばして周辺の建築物や木材を加害する。

水取り蟻道を通して水を運ぶ能力があり乾燥した小屋組のような場所でも湿らせながら加害するので、加害範囲は建物全体に及ぶ。 古在よりも新材を好んで加害する。 最近では鉄筋コンクリート建物の地上部分でも被害が増えている。 温暖化の影響もあり、活動範囲は海岸線から徐々に北上している。

※(社)日本しろあり対策協会発行『しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識』より抜粋

分布 九州・四国と主に関東以西の太平洋岸
加害木材 湿った木材を好むが水を運んで乾いた木にも食害する
加害力 床下のみならず建物全体に及ぶ
地下に大きな巣を作る
1巣内の数 最高100万匹に達する場合あり
生態型 地下シロアリ型
羽アリ 体長7.4mm~9.4mm、黄褐色(頭部は暗褐色)、6月~7月の夕方から夜に飛び立つ、走行性あり

アメリカカンザイシロアリの生態

本種はアメリカのワシントン州からメキシコのカリフォルニア半島にかけての太平洋沿岸地域を原産地とする有名な乾材害虫で、 日本へは家具や荷造材などとともに持ち込まれて屋内の乾材へ拡がり、家を建て直すほどの被害を与えている。

新築時の予防方法は現在なく、駆除の消毒には家屋全体をテントで被い燻蒸処理が行われるが、 使用するガスは毒性が高く、危険が伴うため、住宅密集地では不可能なケースも多い。 その際には被害箇所を特定し部分処理を行うが、この方法で全体的な駆除は見込めない。

※(社)日本しろあり対策協会発行『しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識』より抜粋

分布 東京・千葉・富山・神奈川・大阪・和歌山・兵庫・広島・鹿児島・沖縄まで点々と発生
加害木材 乾材のみを加害する。被害材の孔道孔から乾燥した砂粒状の糞を排出する
加害力 食害速度は遅いが、建物全体及び家具などの木材質を食害
特別な巣はなく木材に穿孔して集団で生活している
1巣内の数 数百頭単位の巣が点在し、1軒の住宅で数千頭の集団になることが多い
生態型 乾材シロアリ型
羽アリ 体長6.0mm~8.0mm、赤褐色・黒褐色、3月~11月の昼間、 走行性なし

シロアリ被害に遭うとどうなるの?

シロアリ被害に遭うと家屋がどのようになってしまうかご存知ですか?こちらでは弊社が過去の検査時に発見した被害の事例と、専門家でなくでも簡単にわかる被害の兆候をご紹介します。