- HOME
- コラム
コラム
COLUMN
どのデッキがどんな人向けなのか
我々は仕事柄、築後1年未満の新しい住宅から数十年経過した古い住宅まで幅広い年代の住宅に伺います。その中で住宅オーナーからよく聞かれることの一つに「デッキってつけた方がいいの」「もしつけるならどんなものがいいの」といったものがあります。『夢の庭付きマイホーム』を手に入れたけど、予算の関係上何もしないまま今に至る方や「どうしようか、どうしようか」と迷いながら数年が経過してしまった方、つけたのは良いが目的とは合致してなくて全く使っていない方など様々な悩みを持っている方が多くいることに気付かされます。
そこで今回はデッキの種類やその特徴、またどんな方にどのデッキが適しているのかについてまとめていくこととします。
1.デッキ設置の効果
デッキの種類や向き不向きの話をする前に、そもそもデッキを取り付けるとどんな効果があるのでしょうか。
結論から申しますと、リビングの外側に取り付けることで居住スペースと一体感を持たせたり、広く見せたりする効果があります。また、BBQスペースやリラックススペース、洗濯物干しスペースとして活用したり、庭との落差が大きいのでその落差解消など様々な効果があります。ただ、デッキの種類によっては使用用途に対して向き不向きがあることもまた事実です。その為、ここからはデッキの種類とその特徴について見ていこうと思います。
2.デッキの種類と特徴、どのデッキがどんな人向けなのか
デッキの種類を大別すると下記の4つがあります。
①タイルデッキ
・ベースをコンクリートで作り、そこにタイルを1枚ずつ手作業で貼っていくもの
②ハードウッドデッキ
・主に熱帯広葉樹から作られた高耐久木材のこと ・代表的なものに、イペやウリン、イタウバなどがある
③ソフトウッドデッキ
・SPF材や杉材など柔らかい樹種からつくられたもの
・ハードウッドと比べて成長が早い為、安定的な供給が可能である
④樹脂デッキ
・樹脂と木粉を混ぜて作られた建材のこと
それぞれの特徴は下記の通りです。
①タイルデッキ
【長所】
1.手入れが楽なこと(汚れにくい、汚れが落ちやすい)
2.高温や高熱に強いこと(耐熱性・耐候性が高い)
3.住宅の外観に合わせやすい(多彩なカラーバリエーション)
4.長持ちすること(劣化しない)
5.高級感があること
【短所】
1.滑って怪我する可能性があること(特に雨天時)
2.眩しく、誤って触ると火傷の原因になること(特に夏場は照り返しが強く、タイルが高温になる)
3.高価なこと※取り付け時も撤去時も
4.シロアリ侵入の可能性が高まること(シロアリ侵入経路がデッキで完全に覆われる)
【どんな方に向いているか】
1.BBQなどを楽しみたい方
2.デッキに掛かる生涯コストを抑えたい方
3.高級感あるエクステリアにしたい方
②ハードウッドデッキ
【長所】
1.木目の風合いがあること
2.熱がこもりにくいこと
3.高級感と重厚感があること
4.害虫や腐食に遭いにくい(高密度な素材)
5.樹種によっては手入れが必要な為、愛着を持てるようになること
【短所】
1.ささくれや割れが起きること
2.イニシャルコスト(初期費用)がかかること(硬い素材につき加工が困難)
3.樹種によってはワックスなどメンテナンスが必要なこと
【どんな方に向いているのか】
- イニシャルコストをかけてもランニングコスト(維持費用)を抑えたい方
2.天然木の風合いを楽しみたい方
③ソフトウッドデッキ
【長所】
1.木目の風合いがあること
2.熱がこもりにくいこと
3.イニシャルコストが低いこと
【短所】
1.シロアリや腐朽が発生する可能性があること
2.こまめな手入れが必要なこと
3.色落ちすること
【どんな方に向いているのか】
1.定期的にお手入れをするのが好きな方
2.ランニングコストは上がってもそれ以上にイニシャルコストを下げたい方
④樹脂デッキ
【長所】
- 手入れが少なくて済むこと(劣化速度が遅い)
2.天然木に近い風合いがあること
3.住宅の外観に合わせやすい(多彩なカラーバリエーション)
4.環境負荷が少ないこと(廃材から生成されている)
【短所】
- 誤って触ると火傷の原因になること(特に夏場はかなり高温になる)
2.BBQなど高熱なものに不向きなこと(耐熱性が低い)
3.変形すること(温度や吸水による伸縮がある)
4.天然木のような経年による色合い変化を楽しめないこと(色褪せはある)
【どんな方に向いているのか】
1.メンテナンスをこまめにしたくない方
それぞれの特徴を鑑みて、短所を補う方法もあります。例えば、樹脂デッキは夏場高温になりやすいから予め日差しを遮断/緩和する為のテラスをセットで取り付けたり、タイルデッキは滑りやすいからザラつきの大きいものを選択しておく。また温度変化を起こしにくい加工をした樹脂デッキなども出ています。詳細については各メーカーカタログなどを参照ください。
3.まとめ
デッキには大きく分けて4種類あることはおわかりいただけたことと思います。それぞれの特徴がありますので、その特性を十分に理解した上で皆さんの生活に則したものをお選びいただくことが何よりも大切です。
今回の記事が皆さんの日常生活を少しでも豊かにする、そんなきっかけになれば幸いです。