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ベランダ・バルコニー 長持ちの方法
今回は、ベランダ・バルコニーの長持ちの方法についてご紹介します。
以前、こちらのコラムでベランダ・バルコニーの違い、防水の種類と特徴ついてご紹介しました。
ベランダ・バルコニーは、普段の使用方法やメンテナンスによって良い状態をより長く維持する事も可能になります。
なぜ劣化するのか?劣化を抑えるためにはどうすればよいのか。ベランダ・バルコニーを長持ちさせるポイントをお伝えします。
1.なぜ劣化する?
住宅のベランダやバルコニーの床は、室内側からすると屋根代わりになっている部分です。そのためこの部分が傷むと雨漏りに繋がる恐れがあります。雨漏りは、特に木造住宅においては大きなダメージを与える原因となりますので、起こしたいものではありません。
では、その雨漏りにも繋がりかねないベランダ床面の防水層へダメージを与える原因には、いったいどのようなものがあるのでしょうか?
それは、建物や下地の挙動による変形,飛来物による衝撃や鳥害(鳥がくちばしでつつく)などによる破損,掃除や人が歩くことでの摩耗,施工当時からの不具合などが挙げられますが、防水層を劣化させる最も大きな要因は、太陽による紫外線です。
この太陽の熱や紫外線が防水層に劣化を生じさせ、変形やひび割れが起こり、そこから雨水が浸水してさらに下地材の腐食等を引き起こします。
現在日本の住宅のベランダの床に最も多く使われているFRP防水やシート防水などは、防水性能が高いうえに薄くて軽く、施工性にも優れています。しかし、素晴らしい防水性能があっても、メンテナンスをしなければそれも劣化してしまいます。
2.劣化を抑えるためには
では、その劣化を遅らせる事はできないのでしょうか?
先述の通り、防水層を劣化させる主な原因は紫外線です。つまり、劣化を遅らせるには、防水層をその紫外線から守ってやれば良いのです。
たくさんの住宅点検・住宅メンテナンスに携わってきた私たちの経験からも、直射日光が当たっていない部分は当たっている部分に比べ、あまり劣化が進んでいません。
つまり、屋根を設置し腰壁を高くしたり、床面にタイルマットを敷いたりすることにより、直射日光を当てないことで劣化を遅らせることができます。
3.対策のデメリット
しかし、その対策には注意点もあります。
屋根を設置したり腰壁を高くしたりするには、工事が必要となります。また簡易の屋根や壁を設置した場合でも、雨風で変形したり飛ばされないようにしっかりと固定する必要があります。その固定についても、固定箇所からの劣化や雨漏りがしないように、適切に処理する必要があり、誤った方法で設置してしまうと、返って建物に大きなダメージを与えてしまいかねません。既存の住宅への施工については、必ずプロに依頼するのが良いでしょう。
比較的簡単な対策としては防水面にタイルマットを敷く方法です。
しかし、これもマットの下に埃や汚れが溜まり排水を詰まらせてしまうこともありますので、ドレン(排水口)の確認や掃除ができるように設置しておくのがポイントです。
4.まとめ
このような方法により、劣化の進行を遅らせてメンテナンスの頻度を伸ばすことが可能です。費用や効果を考えながら実施する事も良いのではないでしょうか。ただし、すでに劣化が進行してしまっている場合には、まずは防水層をやり替えて、劣化を直してからこれらの対策をおこなってください。