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コラム

COLUMN

2023.05.19
住宅知識

光熱費を抑える方法①(生活編)


原油や天然ガスの高騰にウクライナクライシス、更には円安による輸入資材の高騰などが相まって、電気ガス水道の価格が非常に上昇しています。2022年度の消費者物価指数は年間平均で3.0%上昇と41年ぶりの伸び率を記録しましたが、このようにあらゆる物の価格が上昇している中で、インフラである光熱費の上昇は最も家計に打撃を与える出費の一つではないでしょうか。
そこでその光熱費を抑える方法に焦点を当て、またCO2削減にも繋がるようなお役立ち情報をお届けしたいと思います。そのなかでも今回は、建物の改修のような大掛かりな工事を伴うものではなく、すぐに簡単にできる日常の節約術をお送ります。

 

1.光熱費の上昇率

全体の物価が前年から3.0%上昇したことは冒頭の記述の通りですが、総務省発表の2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)3月分及び2022年度(令和4年度)平均によると、光熱費の上昇においては、電気代で15.3%,ガス代で18.2%(都市ガス代24.4%)であったと公表されました。上昇率だけではわかりにくいかもしれませんが、2割近くも光熱費が上がるということは、多くの世帯で金額にして毎月数千円、年間数万円は上昇していることになります。

 参考として、総務省公表の家計調査報告2023年2月分の情報を以下に記します。

項目 実数(円)
光熱・水道合計 35,275
電気代 18,750
ガス代 8,289
その他光熱 2,947
上下水道代 5,289

家計調査報告(二人以上の世帯)-2023年(令和5年)2月分-より

 

 2月分のデータですので年間の月平均よりは高めの傾向だとは思いますが、この情報から、仮に年間で水道光熱費合計が15%上昇していたとすると、二人以上の世帯の月平均で4000円ほど上昇していたと推測でき、年間で5万円近く上昇していたことと推計できます。2023年の春闘では、大企業は比較的大きな昇給をしたところも多かったようですが、中小企業含めすべての企業が昇給できたわけではありませんので、家計へのダメージは無視できないものになっているのではないでしょうか。

 なお、お住まいの地域や形状、ご家族の人数や電気ガス水道の使用の仕方などの個別の事情により水道光熱費は大きく変動します。上記は統計により示された平均を元に推計していますので、必ずしもすべてに当てはまるものではないことはご理解いただければと思います。

 

2.電気の節約方法について対話型AIに聞いてみた

 では、まずはじめに、水道光熱費の中でも最も高額となることが多い電気代の節約方法についてご紹介します。

ちなみに、今話題の対話型AIに「電気代を抑えるにはどうすればよいか?」と聞いてみました。以下がその回答です。


電気代を抑えるためには、以下のような方法があります。

① エアコンや暖房の使用を控える: 電気代の大半は、冷暖房機器の使用によるものです。特に夏場は、冷房の設定温度を少し上げたり、扇風機を使ったりすることで、節約できます。

② 電気代の安い時間帯に洗濯や掃除機をかける: 電力会社によっては、夜間や早朝の電気代が安いプランを設定していることがあります。その時間帯に洗濯や掃除機をかけることで、電気代を抑えることができます。

③ 照明の使用を減らす: LED電球に変えたり、必要なときだけ照明をつけるようにすることで、電気代を節約できます。

④ スタンバイ電力を切る: 電気製品のスタンバイ状態でも、電気を消費しています。使用しないときは、コンセントから抜いたり、電源を切るようにしましょう。

⑤ 電気料金を比較する: 電気料金は、地域や電力会社によって異なります。自分が契約している会社のプランが適正かどうかを確認し、別の会社と比較してみることも大切です。

これらの方法を実践することで、電気代を抑えることができます。また、省エネ対策のための補助金や助成金がある場合もあるので、確認してみることもおすすめです。


 なかなか的を射た回答だと思います。これでこのコラムの執筆完了とできればこんな楽なことはないですね。しかしそれでは人が書いている意味がありませんので、この回答に補足して更に効果的な方法をお伝えいたします。

 ただし、②と⑤については、電力会社や料金プランによるところですので、今回は言及はしません。①③④について深掘りしていこうと思います。

 

3.電気の節約方法 エアコン

 

 まずはじめに、①のエアコンについて深掘りしていきます。

 消費電力に占めるエアコンの割合は、季節や時間帯によっても大きく異なりますが、夏季の日中でおよそ60%,夜間(点灯帯)で40%ほど占め、いずれも最も大きな割合を占めるとされています。そのため、このエアコンの節電をすることが最も効果的であると言えます。

 言うまでもなく最も節電効果が高いのは『使用しない』ことですが、ガマンを強いることは避けたいですし、近年の夏の暑さは命にも関わりますので、使用する上での節電方法をお伝えします。

 

エアコン使用時の節電方法

3-1.設定温度を1℃高める(冷房),下げる(暖房)

 1℃設定を変えるとおよそ10%節電できると言われます。

 環境省公表の「過程部門のCO2排出実態統計調査(令和2年度)」によると、エアコン  (1台目)の冷房時の平均設定温度は26.7℃とのことです。この設定温度を1℃高めて27℃や28℃に設定することでエアコンの消費電力を10%削減できますので、全体ではおよそ4~5%ほどの削減効果を期待できます。更に、設定温度を高めれば高めるほど、消費電力量を削減できることが以下の図からも見てとれます。しかし、ガマンが必要な設定温度にまでしては、快適に過ごすというエアコンを使用する目的が損なわれてしまいますので、やり過ぎない程度で良いのではないかと思います。

 

 図 エアコン(1台目)の冷房時の設定温度別世帯当たり年間エネルギー 種別消費量

 

3-2.扇風機を併用する

 しかし、たとえ1℃であったとしても、エアコンの設定温度を高める(冷房)と「暑い」と感じることはありませんか?たった1℃でも快適性が大きく損なわれては、節電できても長くは続けられません。そのような場合にお勧めしたいのが、扇風機やサーキュレーターを併用して使用することです。風が体に触れることで涼を感じることができますし、より空気を動かすことで効率よく室温を低下させることができます。

 扇風機などさらにプラスで家電を使用することで節電になるということに疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、結論から言うと、節電になります。それは、エアコンの消費電力のほうが扇風機等に比べはるかに大きいため、設定温度を1℃上げて削減される消費電力の方が扇風機を使用する電力よりも大きくなります。ざっくりとではありますが、エアコン1℃上げた際の時間あたりの節電効果が2円前後だとすると、扇風機サーキュレーターの時間あたりの電気代はおよそ0.5円ほどです。0.5円かけて2円削減できれば1.5円は節約できていることになります。(※金額は物やタイプによっても変わります。)

資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」ではエアコンの設定温度を1℃上げると940円の節約とありますので、大きいですよね。

 

3-3.その他方法(カーテン,フィルター,室外機)

 

 その他の方法もいくつかご紹介致します。

 まずはカーテンによる遮光です。エアコン使用時だけではなく、夏季の日中に長時間外出するのであれば、室温上昇を抑えるためにカーテンをするようにしましょう。建物への熱の出入りはおよそ70%以上が窓などの開口部からと言われます。窓をカーテンで覆うことで少しでもの熱の流入を防いでおきましょう。エアコンの電力は、運転開始時の室温を下げていく際に最も多く消費します。室温が高くなければ、それだけ運転開始時の電力を節約することができます。

 次に、エアコンのフィルター清掃も侮れません。フィルターにホコリが溜まってしまうと、運転効率を低下させ余計な電力が費やされてしまいます。一説には5~10%ほど余計な電力を消費してしまうと言われますので、1℃の設定温度変更による効果がなくなってしまうほどです。こまめな清掃をするようにしましょう。

 そして最後は、室外機の性能です。できることであれば、室外機は直射日光を避け、温度上昇しすぎないようにしましょう。また、室外機の吸気と排気の妨げになるような物は置かないようにし、室外機の運転性能が低下しないようにしておきましょう。

 

4.電気の節約方法 照明

 

 続いて、③の照明の節約方法についてお話しします。

 一般的に、家庭内の消費電力でエアコンに次いで多いとされるのが照明です。この照明の節電方法については、実はあまり効果的と言えることはないかもしれません。なぜならば、一番効果的なことは、”使っていないところはこまめに消す”、これだからです。当たり前の対策すぎますね。

 他には、もしまだLEDではないのであればそちらに替えることも効果的ですが、すでに照明の多くがLEDに切り替わっていますので、あまり目新しい対策とも言えません。

 あとできることとすれば、電球や笠に付いたホコリを清掃することも効果はあります。大掃除などで電球や笠を雑巾で拭くと、ホコリがびっしりと取れた経験はないでしょうか?その分だけ暗くなっていた訳で、明るさを無駄にしていたということです。しかし、これは節電というよりも、同じ電力でより明るく感じることができるということであり、直接的な節電や節約効果とはなりません。

 兎にも角にも、照明については”こまめに消す”これが一番効果的です。

 

5.電気の節約方法 スタンバイ電力

 

 ④のスタンバイ電力(=待機電力)は、確かに無駄な電力の一つではあり減らせば減らした分だけ消費電力削減にはなります。しかし、その電力は電気使用割合全体の5%ほどと言われ、限られています。こまめな電源の入り切りをすることで、待機電力のうちの最大5割ほどが削減できると言われていますので、消費電力全体からすると最大で2.5%ほどの削減効果を期待できますが、一般的には待機電力の節電効果は0.5%ほどと言われます。これを少ないと感じられるか意外にも多いと感じられるかは人それぞれですが、待機電力をこまめに消して・また点けて,使用の度にコンセントを抜き差しして、をひたすら繰り返す煩わしさと削減効果の天秤をかけたなら皆さんはいかがでしょうか?(―――もしかすると私は頑張り切れないかもしれません。)

 経済産業省が出している「夏季の節電・省エネメニュー」によると、夏季の点灯帯(19時頃)での消費電力量は、エアコン・冷蔵庫・照明の3種類で全体の6割を占めています。エアコンの設定温度を少しだけも高めたり,もしくは少しだけでも使用時間を短くしたりすることや、冷蔵庫の設定を「強」から「中」「弱」へ変える方が、よほど効果的ではないかと思ってしまうのは私だけでしょうか。

 もちろん待機電力は削った分だけの効果は間違いなくあります。まさしく”塵も積もれば山となる”です。ご興味の湧いた方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

6.まとめ

 

 電気の使用量を抑えることは、今回焦点を当てた金銭的な節約にもなりますが、大切な地球資源を大切に使うことになりますし、CO2排出抑制にも直結することです。光熱費を押さえていくことは、家計の圧迫を避けることだけではなく、その分だけ地球環境にも貢献していくことになります。節約というとケチ臭いようなイメージを持つ方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、より未来志向でありスマートでエシカルな暮らしだと思います。そのように、私たちの暮らし方に対する考え方もアップデートしていくことが求められているのかもしれません。