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家のセルフチェック(大掃除編)
今年もはや年末、早いもので大掃除の時期となりました。
今年は元旦の能登地震から始まり各地の豪雨被害…色々な事がありました…
そんなご時世だからか建物調査や点検ご依頼も多く、建物の安全性や健全性に意識の高まりを感じています。
そこで今回は大掃除の時に意識して見ると、雨漏りやシロアリ被害など建物の劣化につながる症状や気付ける箇所など思いつくものを記事にしようと思います。
目次
1.外周り
大掃除で普段手を付けない建物の外回りや外壁など、何かしようと考えている方いらっしゃるかと思います。
外周りではセルフチェックポイントは沢山あります。まずは…「見上げて」みて下さい。意外に自宅外から見上げてみる事って少ないものです。注目すべきは…
1-1.屋根の軒先や軒裏、ベランダ軒天井
軒天井の水染みから雨漏りに気づくケースは本当に多いです。水染み原因が必ずしも雨漏り…というわけではありませんが、黒ずみの原因の多くはカビ汚れなので「水」が関係して起きるものです。
1-2.外壁など
外壁の目地や窓周りなどの防水コーキングの割れや隙間は防水性に直結する部分ですし、いつのまにか壁にヒビ割れ(クラック)や反り、釘の抜けなど異変が起きている事があります。
よくある外壁の「苔」も、通常は問題ないのですが…盛り上がる程に成長している場合は「雨漏り」を示唆する代表的な症状です(苔が成長するほど水が常にある状態≒雨漏り)。
※ここで一つ注意点です。
外壁の北側に生える緑色した苔や黒ずんだ汚れなど何とかしたい…と思っている方も多いと思います。
高圧洗浄機の使用はお勧めできません
高水圧の力は非常に強く、汚れを気持ち良いほどに落としてくれますが同時に外壁そのものの塗膜や下地まで痛めてしまう心配があります。一度剥がしてしまうと、そこが給水ポイントになってしまい基材に影響するだけでなく、更に苔が発達する…悪循環になってしまいます。
苔への対処は、ホームセンターなどで売っている「コケ落とし」などの霧吹き状のケミカル剤を使用すると無駄に外壁を痛めずに対処できます。
次は建物の下側を見てみましょう。
1-3.基礎、建物周囲など
家の基礎周りにも注目してみて下さい。
建物の周りに置いてあるモノで木材やダンボール、濡れ縁やウッドデッキなど木製(紙製)の物はシロアリに食べられていたりする事があります。基礎本体の蟻道(シロアリが作る蟻土製の道)やひび割れ(クラック)などにも気づく場合があります。また、土や基礎が晴れているのに湿っていたり濡れていたりする場合、建物内や土中の配管トラブルやエコキュートなど給水給湯設備の不具合に気付けるケースもよくあります。
2.室内
建物内部でも内装や水廻りなどセルフチェックできるポイントが沢山あります。
2-1.天井や壁、クロスなど
天井普段あまりまじまじとチェックしない箇所の一つ。掃除していて、雨染みやひび割れなどに気づく事もあります。クロスのひび割れ(クラック)では、垂直水平に直線に入っている場合は下地のボードの継ぎ目に沿ったひび割れで動くべき所が動いた結果なのでほぼ心配はありませんが、斜めに入っているひび割れの場合はボード下地そのものが割れている可能性から雨漏りやその他特殊な原因が考えられるので要注意です。
壁面など黒ずんだり変色したりしている場合、カビが原因となっている事がすくなくありません。水廻りや家具の後ろなど環境的に湿気る箇所ならともかく、何も影響していない箇所がカビている場合は雨漏りや壁内結露、上階配管の漏水など別の原因が考えられるのでこちらも要注意です。
2-2.床、畳など
床も色々な症状が現れる場所です。床が所々たわんだりする事は築20年以上経った建物によくある症状で、多くは床板合板の経年劣化が原因ですが床下木材のシロアリ被害でも起きる症状なのでこちらも注意が必要です。また、長年動かしていない家具や押入内の荷物の下、畳の裏などで土が付着している場合など思わぬシロアリ被害に遭っているケースもよくあります。大掃除の時にしか見ないような所は特に注意すると良いです。
ここで一つ特に気を付けたい部分があります。
2-3.コンセント
コンセントは大掃除の機会にぜひチェックしていただきたい箇所です。コンセントの差込口が緩んでいたり、埃が積もったりしていると電極同士がショートして発火してしまう「トラッキング」というに非常に怖い現象につながります。また、タコ足配線や束ねたコードも同様に発熱発火につながる場合があるので要注意です。
2-4.水廻り
水廻りは直接水を使う場所であるだけにちょっとした異変や症状が漏水やシロアリ被害などに直結している可能性があるため注意が必要です。キッチンや洗面台、蛇口などの設備器具のグラつきや異音、水染みや水滲み、排水臭、木材部分の空洞や黒ずみなどなど…とにかく通常とは違う異変を感じたら即調べる事が大事になります。
3.まとめ
色々と気になる症状や箇所を羅列してきましたが、見ておくと良い箇所や気をつける箇所はまだまだ書ききれないぐらいにあります(正直…書ききれません)。
大事な事は「違和感」を感じたら、とにかく「調べてみる」「相談してみる」事です。
人が何か異常を感じたらお医者さんに行く様に…
ほんの「小さな異変」が大きな不具合につながっている事は往々にしてあります。
調べてみて何の影響もない現象であったのならば、それはそれで良い事です。
人間の健康診断と同様、深刻な状態になる前に、工務店や我々の様な点検業者に早めに相談いただく事をお勧めします。