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コラム

COLUMN

2022.04.20

日本の住宅の歴史②


日本の住宅の歴史について、今回は特に戦後から現代の住宅事情についてお話していきます。

1.太平洋戦争直後の住宅事情

太平洋戦争直後の住宅事情

 

近代の日本の住宅を語るうえで、まずは太平洋戦争が大きな転換点となったことに触れる必要があります。戦前までの日本の住宅の歴史については、こちらをご覧ください。

多くの都市が戦火に見舞われた当時の日本は深刻な住宅不足となりました。私も直接当時過ごした訳ではありませんが、テレビの映像などで当時の人々がひとまず造ったバラックや高架下や防空壕跡などの雨風しのげる場所で暮らすなどしていたという状況であったという印象があります。こういった状況の当時の日本にとって早期の住宅供給が至上命題となっていました。とは言え、住宅が足りなくとも人々の”暮らす”という行為は止められるものではありませんので、無秩序にバラックや建物が乱立していく、そのような状況であったようです。そこで重要となるのが法整備です。1945年の戦争終結から5年後の1950年に現在も続く建築基準法が制定されました。近代日本の住宅の歴史とは、この建築基準法の歴史とも言えるかもしれません。(建築基準法の変遷については今後お伝え出来ればと思います。)

法整備はなされましたが、建築資材は不足していましたので廃材を使用したり古材を利用して建てられたりと、決して”永くもつ良い家”ばかりではありませんでした。それに、まずは住む場所を確保するために、建てることが何よりも優先されていた時代背景でもありました。

 

2.高度経済成長期の住宅事情

高度経済成長期の住宅事情

1950年代から日本は復興需要や朝鮮戦争の特需などにより高度経済成長期に入っていきます。もともとの住宅不足に加え、ベビーブームや農村から都市への移住と核家族化が進んでゆくことで、住宅需要は益々高まっていきます。”団地”が各地で造られていったのもこの時期であり、こうした背景がありました。国の政策としても、こうした住宅需要に対して住宅取得を後押しする形で住宅ローン控除など多くのメリットを設けていきます。住宅を建てるということは、建設業はじめ各種資材やその運搬などその他諸々多くの業界が絡むため経済波及効果が高いと考えられ、経済政策としても柱の一つとなっていました。

 

 こうして、宅地を手に入れマイホームを建てて暮らすということが一つの夢でありステータスであるということが国民の意識に次第に根付いていきました。そしてまた、古く歴史あるものよりも綺麗で新しいものに対して戦後復興の象徴のように感じられ、新しいものこそが優れているというような社会風潮も育っていきました。こうして戦前まであった”家を守る”という代々の土地や建物を大切に守っていく日本の住宅文化が、どんどんと建てて壊して壊して建ててというスクラップアンドビルドを繰り返すようになっていきました。こうして日本の住宅は世界的にも非常に短命なものとなりました。

 

まとめると、戦火に見舞われたことをきっかけとして、

 ・質より量が優先されたこと

 ・経済政策の一つとして建てることが推奨された

 ・夢のマイホームとして

 ・旧から新への価値観の変化

これらの理由により現代日本の住宅文化が形成されてきたと言えます。

 

3.現在の住宅事情と今後

現在の住宅事情と今後

これらの時期に造られた団地やニュータウンも今ではすっかり老朽化し、また人口減少も相まってゴーストタウン化したり空き家問題として取り沙汰されたりと、近年はむしろ住宅過多となっています。その一方で、高度経済成長期にできた住宅新規取得を促す施策は未だに継続されており、住宅が十分に存在しているにも関わらず量を増やすための施策が取られ続けているのが現状です。しかし無理もないことかもしれません。これだけ住宅が過剰になるのは、この日本において史上初めてのことかもしれません。私たちは歴史上初めて家が余る時代を今まさに生きているかもしれない訳で、社会制度や私たちの価値観もそれに適したものに転換できていないのだと思います。

 しかし、今こそこれまでの建てて壊してのスクラップアンドビルドから、今一度古来からの住宅との向き合い方のような今ある家をより永く使い続けていくことへの価値観の転換が必要なのではないでしょうか。歴史あるものをそのままに使うことも味があって良いかもしれませんし、古く傷んだものを強く綺麗に新たな価値を付けてむしろ進化させていくことは、現在の技術であれば可能なことも増えています。

 森林資源やエネルギーの観点、廃棄物処分やCO2の問題など、地球環境的にも住宅を建てて壊すことには想像以上に大きな負荷がかかります。近頃では、移動手段に飛行機を使用することを二酸化炭素を多く排出することから「飛び恥じ」と言いますが、住宅余りのこの時代にいずれ使い捨てられるような住宅や断熱性能が低くCO2をより多く排出するような住宅を建てることを「建て恥じ」,また住宅のメンテナンスをおこなわず長持ちさせようとしない住まい方を「住み恥じ」と言われてしまう時代もすぐそこまで来ているように感じます。

 

4.まとめ

今回は、戦後から現在の日本の住宅事情についてお伝えしました。

 戦後復興から高度経済政策の時代を引きずる現在の住宅社会には、問題が山積みであると言えます。だからこそ、住宅事業に携わる私たちが現代の日本に貢献できることがたくさんあると感じています。住宅は、本来物質的に経年劣化していくものではなく、そこへの愛着や思い出も増し、物質的にも住まいやすくアップデートしていけるものです。「住まいは経年進化する」私たちの掲げるこの価値観を広めて参りたいと思います。