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住まいの「経年進化」とは?
”住まいは経年進化する”という言葉をご存じでしょうか?
おそらくご存じない方が大半ではないでしょうか?
私も初めて聞いた時にはその意味をすんなり理解することはできませんでした。
”住まいは経年進化する”とは、弊社の提供価値の一つです。
今回はこの言葉の意味や意義を、私なりの言葉でお伝えできればと思います。
劣化と進化
みなさんが聞き馴染みのある言葉としては、【経年劣化】のほうではないでしょうか?
経年劣化とは、「時間とともに品質が低下すること。 雨風・湿気・温度変化・日照などによる品質の低下だけでなく、通常の方法で使い続けることによる摩滅、汚れ等の損耗も経年劣化である。」と辞書には載っています。住宅に置き換えて考えてみると、外壁や屋根の劣化、床板の劣化、クロスの剥がれなどの品質の低下だけではなく、浴室のカビ、トイレの詰まり、ビスの緩みまで経年劣化であると言えます。つまり、住宅は新築で引き渡した時点が頂点であり、そこから時間が経過するとともに必ず劣化していくものなのです。それを防ぐためには、メンテナンスが必要です。
例えば、外壁や屋根の塗装、床板の張替え、クロスの張替えなどが代表的なメンテナンス工事です。メンテナンス工事だけではなく、日々の小さなメンテナンスも必要です。これからやってくる年末の大掃除などはその代表格ではないでしょうか。
そのようにしてメンテナンス工事をすることで住宅は長持ちし、長く住まうことができます。
ただ、それはあくまで住宅の経年劣化を防ぐ、又は遅らせるために行う必要のある工事であり、【経年進化】とは似て非なるものです。
【進化】とは、生物が、単純微小な原始生命から、段階的に、複雑多様なものへと変化して来たこと。更に広く、事物が一層すぐれたものに発展すること。とあります。
生物学的な話ではありますが、これを住宅に置き換えると、事物が一層すぐれたものに発展すること。という部分が当てはまるのではないでしょうか?
ここからさらに【経年進化】という言葉の意味を考えてみると、時間の経過とともに、住宅が優れたものに発展していくこと。ということだと私は考えています。
住宅そのものがメンテナンスによって綺麗になっていくことももちろんですが、それ以上に重要なのは、そこに住まう人たちの長い年月を掛けた【喜び】や【家族との愛】、【悲しみ】などの想いが揃うことで、住宅をさらに優れたものへと進化させていく。ということだと思います。
例えば、みなさんはこういったものを見たことはありますか?
自宅の柱で同じようなものを書いたことがある方もいるのではないでしょうか?
これも厳密にいえば傷です。いわゆる劣化の一つと捉えられます。
しかし、これを劣化と感じる親はまずいません。子供の成長を日ごと感じることのできる、とても幸せな傷だと思います。20年後にこの文字を見て、さらに幸せを感じることができるのではないでしょうか?これこそが【経年進化】だと思います。
まとめ
住宅は必ず劣化していきます。それを完全に防ぐことはできません。
物理的なメンテナンスによって、経年劣化を遅らせることや、住宅を長持ちさせることはできます。ただ、大切な我が家で暮らし続ける意義は、雨風を防いで寝食に困らないようにするためだけではありません。長い時間の経過とともにできる傷や劣化も含めて、そこに暮らす人たちにとっては幸せや生きる活力になります。【住まいは経年進化する】この言葉は、お家に住まう方々の希望になる言葉だと思います。私たちは、【経年劣化】ではなく、【経年進化】という言葉が日本中で使われるようになることを本気で目指しています。そうなる日がくることを目指していれば、20年後に私たち自身が【経年進化】した。と思える日がやってくるかもしれません。そんな日を夢見て、地道に活動していきます。