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住宅メンテナンス:持ち家と賃貸の違い
多種多様な価値観がこの世には存在しています。特に「衣食住」の「住」でいうと、「持ち家派」の方もいれば「賃貸派」の方もいます。『どちらが良いのか』この手の議論は昔からされてきましたし、これからもされていくことと思います。しかし、どちらも一長一短があり、どちらが決定的に良いというのはないのではないでしょうか。そこで、今回は「メンテナンス」という切り口で、「持ち家」「賃貸」、それぞれのメリット・デメリットを見ていきたいと思います。皆さんの今後の判断基準にしていただけたら幸いです。
1.はじめに ~持ち家と賃貸の違い~
まず結論から言いますと、「持ち家」は『自己管理型』であり、「賃貸」は『委任型』という分け方が出来ます。
具体的には、「持ち家」の場合、所有者自身の持ち物であるが故に、住宅メンテナンスを行うタイミングやその業者選定、メンテナンス内容などすべてが所有者の自由です。しかし、住宅メンテナンスについて自己管理が出来ないとなると、全てのメンテナンスが後回しになり、結果大きな出費に繋がることもあります。また、災害などによる急な出費もある程度覚悟しておかなければならないことも「持ち家」には付き物です。
一方、「賃貸」は、所有者が別にいる借り物ですので、原則その所有者の決定に従う必要があります。具体的には、メンテナンスを行う時期や施工業者、メンテナンス方法などは自分では選ぶことが出来ませんし、賃貸契約終了時には原状回復が原則となります。また、「管理費」や「共益費」などについても自分の意思とは関係なく支払うことになりますので、所有者の管理下に置かれた状態にあると言えます。ただ、裏を返せば全てを管理してくれるので原則お任せで良いとも言えます。
では、ここからはもうすこし踏み込んだ内容に移行します。
2.持ち家のメリット/デメリット
「夢のマイホーム」と言われる持ち家ですが、一言に「持ち家」といっても大きく2つに分類されます。「一戸建て」と「マンション(集合住宅)」です。それによってもメンテナンスに掛かるものは変わってきます。
「一戸建て」のメンテナンスに掛かるコストとしては大きく分けて下記のものがあります。
・外壁塗装などの維持管理費
・固定資産税・都市計画税などの税金
・火災保険・地震保険などの保険料
一方、「マンション(集合住宅)」を所有した場合に掛かるメンテナンスコストには下記のものがあります。
・共用部分メンテナンスなどに掛かる管理費
・10数年に一度掛かる大型メンテナンスなどに掛かる修繕積立金
・固定資産税・都市計画税などの税金
・火災保険・地震保険などの保険料
上記の通り、実は項目として大きな差異はありません。
「一戸建て」はメンテナンス時期やどの業者でメンテナンス工事をするのか、またそのコスト捻出方法などは自分で調整できるが、その分自分で管理することが求められ、一方「マンション(集合住宅)」には自動で管理され、積み立てられるが故に自分で時期もコストもコントロールが出来ません。つまり、「所有者自身でメンテナンスに関わる部分のコスト管理をする一戸建て」か「自動的に積立られるマンション(集合住宅)」かという違いがあります。
3.賃貸のメリット/デメリット
「賃貸」については、冒頭でお伝えした通りです。下記にまとめます。
◾️「賃貸」のメリット
・メンテナンスコストは家賃などからの自動積み立てなので、急な出費少ないこと
・メンテナンスについてのノウハウなど不要であること
◾️「賃貸」のデメリット
・改装など自由度が比較的低いこと
・現状回復が原則であること
4.まとめ
「持ち家」も「賃貸」も『メンテナンス』という切り口において一長一短があり、どちらが良いということはありません。今回は『メンテナンス』という面に絞って綴りましたが、実際には他にも選択の要素はいろいろとあります。持ち家は固定資産税などは支払い続ける必要があるが最終的には自身の持ち物になる一方で、賃貸の方が引っ越しが気軽に出来るフットワークの軽さやイニシャルコストが低いメリットがあります。また、「一戸建て」は「集合住宅」とは異なり、物理的に離れているので比較的周りとの騒音問題になりにくいメリットがあったりもします。つまり、「持ち家」「賃貸」のどちらを選んでもよい、その選択の自由は自分自身にあり、その選択責任は自分自身にあるということです。何事もそうですが、後悔のない選択をして、それぞれの人生をそれぞれの形で豊かにしていけたらベストだと思います。