住宅メンテナンス事業 | シロアリ駆除・防除、屋根・外壁塗装、メンテナンスリフォーム

点検のご案内が届いたお客様へ

tel0120-37-6451

コラム

COLUMN

2024.10.18
防災

水害時の対策について


最近、日本各地で「水害」が多数発生しています。
「台風」「前線」「線状降水帯」…気候変動の影響か、年々「水害」の規模も発生頻度も増している事は皆さんも感じている通りだと思います。

水害に遭うと家はどうなってしまうのか?
私たちは水害にあった時、又はその前、その後に何をしたら良いのか?

私が住む静岡県静岡市でも2022年9月に大規模な浸水被害が発生しました。
住宅メンテナンス業務をしている弊社にも数多くお問合せや対応依頼がありました。

今回はその時の経験も踏まえて、建物の水害時の対策についてお伝えしていこうと思います。

 

 

1.水害時にやれる事

 

水害時はどんな影響があるのか…

ニュースでも見ている様に、河川が氾濫、土石流が流れ、道路が冠水したり、建物に浸水被害が発生します。その影響は、水害が発生した時点だけでなく、水害が終わった後にも及びます。

水害が発生した時点(又は最中)は、人の命に関わる事象が多く発生します。

 

この時はとにかく…「命を守る」行動を最優先して下さい!

・川など水部には近づかない

・避難塔や近隣の高い建物などに避難

・土砂崩れなど危険がある場合は即座に離れる(水平避難)

・安全に避難などできない場合は上階に垂直避難するなど次善の行動をとる など…

 

水の流れる威力は予想以上に大きく人は簡単に流されてしまいますし、流された物によって起きる災害もあり得ます。

水が溢れた道路では、道路面が見えず歩く事もままなりませんし、車も流されてしまい最悪閉じ込められる事も。また、雨で緩んだ影響からの土砂崩れや土石流も考えておかねばなりません。

 

2.水害前に出来る事

 

水害中に出来る事は「命を守る」事を最優先とする為以外に少ないのが現実です。

最近は水害発生予測に関する情報は早めに得られることが多いので、最大限に活用して早め早めに行動する事が重要になります。

 

安全が確保できている前提ですが、直前にできる被害軽減策として、

・早めに避難する

・車など高台に避難させる

 近隣の商業施設の立体駐車場など、災害時に避難できる様に話し合っていて助かった例もあります。

・住宅の浸水対策…土嚢や水嚢(袋に水を入れても土嚢代わりになります)などを利用

 当時、下水からの圧力で排水口から水が逆流したけケースも。排水口を塞ぐ事も有効です。

 

更に普段からできる対策として

・避難用品、持出品、貴重品、重要書類などの準備

 2022年9月の静岡市水害では被災後数週間も断水が続き、水の確保に奔走しました。緊急時の持出品など置いてある場所や何が入っているか意外に把握できていない事も多いので日々の準備をお勧めします。

・避難場所、避難経路の確認

 行政のハザードマップなども充実してきており、浸水予測地域や避難所、避難経路のアンダーパスなどの危険箇所まで確認ができます。学校や勤務先で被災した際の決まり事なども家族で話し合っておく事も重要な対策の一つです。

 

3:水災後出来る事

 

水害後は主に建物などその被害状況によって復旧や各手続など出来る事があります。

建物への影響として多いのは「床上・床下浸水」です。この場合、汚水が混じった水が浸入する事で断熱材や床材などの汚損、電化製品の故障、床下では衛生環境の悪化や防蟻薬剤の流失など影響が挙げられます。

床下浸水では…汚水流入による衛生環境の悪化、泥の堆積、防蟻薬剤の流失(保証失効)、床断熱材の汚損、劣化が進んだ木材などは交換が必要となる場合もあります。また床下浸水レベルでもエアコンや給湯器の室外機が没水して故障するなどの影響が見られました。

対策には、殺菌消毒、防蟻処理(薬剤補充、処理し直し)、各部材や設備の撤去交換(断熱材交換や泥撤去の際は床材張替必要なケースが多い)があります。

※ここで一つ注意点です。

よく、浸水した後に「早く乾かそう」として床下収納庫をあけて扇風機などで風を送るなどの対応をされている方がいました。

確かに「早く乾かす」事は木材劣化進行を防ぐ意味がありますが、同時に浸水後の不浄な空気を部屋内にばら撒く事にも繋がります。

短時間であれば良いかも知れませんが、中には喘息症状が進んでしまった方もおられ、直後の換気対策には注意が必要です。

構造や周囲状況など、お宅によって差はありますが点検口を塞いだままの状態でも2〜3週間で水は引いていきます。カビや腐朽菌などの繁殖も、一時的な多湿だけなら限られた範囲の影響なので水が引いた後で十分対処が可能です。

床上浸水では…上記床下の損害や家財の汚損以外にも、床材や壁材に加えて壁内断熱材の交換、電気配線や設備配管類の損傷チェックや交換などが必要となる為、さらに大掛かりな復旧工事が必要となります。

いずれにしても大変な労力と費用がかかることは想像に難くありません。

その際は、火災保険や行政の補助など(罹災証明が必要)が助けになってくれます。

ただし保険内容や適用判断は保険会社やケースごとに違います。中には保険契約時に水災特約が外されており床上浸水被害でも保険が使えなかったり、床下浸水の被害のみでも保険が使えたたケースもありました。

一度、ご自身が契約している保険会社に問い合わせてみる事をお勧めします。

私の経験上、被災後2年経った今でも床下に入ると浸水した跡を見かけるお宅が多々あり、時々「ウチはギリギリ大丈夫だった」と住んでいる方が床下浸水に気付いていなかった事がよくあります。

被災後は、具体的な症状はなくとも床下や電気設備など住宅のチェックなど励行する事をお勧めします。

 

4.まとめ

 

水害は今までの雨や台風など今までの経験から「ウチは大丈夫…」と軽くみられる方もいらっしゃいます。

しかし、現に過去の経験からは想像できなかった被害が全国的に頻発しており、命に関わるうえに復旧にもかなりの労力と期間が必要となる…

立派な「災害」です。

いきなり起きる地震災害などと比べて事前情報が得られて準備ができる事が、被害を減らす最大要素です。

この経験と記事が、今後の防災への一助になれば幸いと思います。