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シロアリ被害と断熱材
今回は、シロアリ被害と断熱材についてご紹介していきます。
目次
1.シロアリ被害
日本で起こるシロアリ被害の多くを占めるヤマトシロアリとイエシロアリは地下シロアリといわれ、普段は地中に生息しています。木材に寄生する虫と思われている方も非常に多いのですが、実は地面側より歩いて木に侵入して加害しています。
目的は木に含まれるセルロース等の接種で、簡単に言うとこれを栄養分として生きています。
つまり、地面に近い所に木が有れば被害に遭う可能性が有ります。
また、建築材料に使う木は、建物の寿命に関わりますので、当然状態が良い木材を使用します。それは、シロアリにとっても極上のエサとも言えます。いわば、住宅にシロアリが入って被害が起こるのは必然的とも言えます。
私達は、その被害を起こさせない様に床組の木材や床下の土壌面や基礎の立ち上がり等を薬剤散布を行いシロアリが登って来た所で反応させる様にして「予防」をしています。
2.断熱材に入るシロアリ
シロアリは成長の為に脱皮を行います。これが、シロアリにとって弱点となります。シロアリの体のほとんどは水分で、皮膚が非常に薄い事から体が空気にさらされる事を非常に嫌がります。その為、普段は土の中を動きます。また、木部は木の内側に侵入して内側から食害していきます。
ヤマトシロアリやイエシロアリの侵入する経路は、地面側から基礎の表面や束石等を蟻道と呼ばれるストロー状のトンネルを作成して登ります。これらは、表面上の薬剤層を作る事でシロアリに反応させる事が出来ます。
しかし、残念ながら床下に薬剤散布しただけでは防ぐ事が出来ない部分があります。
それは、給水管等の断熱材や基礎立ち上がりにつける断熱材(基礎外断熱や基礎内断熱と言われる物)です。
▲基礎外断熱工法でのシロアリ被害
▲基礎内断熱工法でのシロアリ被害
残念ながらこれらの断熱材には薬剤を染み込ませる事は出来ません。断熱材は、性質上多くの空気の層を作っている為、シロアリが穴を開けて進みやすく絶好の移動スペースとなります。
こういった所から木部に達する所をシロアリが見つけてしまえば加害されるという事になります。
また現在、床板下面には断熱材が貼られている事が多くあります。少しでも、形跡がある場所は、剥がして確認する事をお勧めします。
3.まとめ
では、どの様にすれば良いでしょうか?
答えは、
1、断熱材を地面に直接触れさせない。
2、シロアリが侵入する前に、地面と断熱材や木材の間に薬剤層を設ける。
3、定期的に、薬剤散布を行い侵入被害がない事を確認する。
こういったポイントを抑えておけば被害が起こる可能性を減らす事が出来るのではないでしょうか。