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メンテナンス費用を抑えるために
住宅には定期的なメンテナンスが必要です。これは住宅に限らず、我々の身体を含めたすべてに対していえることです。鉱物や水など一部のものを除きすべての物は基本的には劣化します。その為、定期的なお手入れを行う必要があり、それには相応のメンテナンス費用が掛かります。
それでは購入後にかかるメンテナンス費用を抑えることは出来ないのでしょうか。
まず結論から言いますと、メンテナンス費用を抑えることは可能です。そこで今回はそのポイントについて書いていきます。皆様の所有されている住宅や今後購入を検討されている住宅の維持管理の為に少しでもご参考になれば幸いです。
1.メンテナンス費用を抑えるためのポイント
【購入前】
①劣化しにくい素材を選ぶ
②建物自体をシンプルな形状にする
③メンテナンス対象になるものを作らない
【購入後】
①長い目線で考えた仕様のものを選ぶ/劣化しにくい素材へ取り替える
②素材を覆い、劣化を抑える
③不要なDIYをしない
2.具体的な行動
【購入前】
①劣化しにくい素材を選ぶ
劣化しにくい素材を購入検討時に選択すればその分メンテナンスする時期が後ろ倒しになり、費用の削減に繋がります。具体的には、屋根であれば紫外線による劣化がない陶器瓦や、外壁であれば劣化の遅いガルバリウム鋼板などが挙げられます。
②建物自体をシンプルな形状にする
同じ床面積の住宅であっても外壁見附面積は異なります。たとえば、ここに同じ床面積で2つの形状の建物があったとします。1つが正方形の総2階で、もう1つがコの字型の2階建住宅だとします。正方形よりもコの字型の方が外壁塗装をする面積が大きくなる分、当然メンテナンスに要する費用も大きくなります。その為、シンプルな形状にした方が長期に亘るメンテナンス費用が下がることになります。
③メンテナンス対象になるものを作らない
定期的なメンテナンスが必要なものが殆どであるのならば「最初から作らない」というのも一つの手段です。たとえば、洗濯物を干すためだけにベランダやバルコニーをつくるのであれば浴室乾燥機や乾燥機付洗濯機などで代用することもできますし、あるいはお庭が広ければベランダやバルコニーをつくらずお庭に物干を設置するという方法もあります。「これはあるべきだ」と思うものであっても「なければならない」かどうかはそのご家庭や立地状況などによって異なります。その為、要不要について建築前に検討しておくだけでも後々大きな差になるのではないでしょうか。
【購入後】
①長い目線で考えた仕様のものを選ぶ/劣化しにくい素材へ取り替える
昨今の技術進歩により仕様にも様々なものが出てきています。たとえば、外壁塗装をするにも塗料の耐用年数に大きな差異があり、5年未満のものから20年を超えるものまで幅広く存在しています。どの仕様を選ぶかによってコスト面にも差異が出ることになります。この場合の「コスト」とはその1回限りのコストもあれば、生涯コストもあります。何を見てどんな仕様のものを選ぶかは皆様次第です。
また、住宅購入後であっても、その後のメンテナンスに要する総額を鑑みて、素材そのものを変えることもひとつの選択肢かもしれません。初期投資は少なくないかもしれませんが、短い期間でお手入れが必要なものからお手入れ時期が長いものに変えることで、生涯に必要なお手入れの回数が減り、生涯コストを抑えることが出来るかもしれません。
「どの程度その住宅に住むのか」まで考える必要があるのでなかなか踏ん切りがつきにくいこともまた事実ですが、一考の余地はあるのではないでしょうか。
②素材を覆い、劣化を抑える
上記①の後半部分と似ていますが、今ある素材の上から「耐久性の高い素材」で覆うことも一つの手段です。上記①の後半部分は元々の素材を交換することですが、それとは異なり上から張り付け、覆うイメージです。その為、処分費が少なくなることで費用を抑えることができる場合が多いのが特徴です。
③不要なDIYをしない
お客様自身で住宅への手入れをしないことも大事な場合があります。具体的には、外壁に苔類が発生すると美観が悪くなります。その汚れを除去する為にご自身で高圧洗浄機などで落とされる方がいらっしゃいますが、それによって表面塗膜も一緒に傷めてしまうことがあります。つまり、自分の住宅を自らの手で傷めてしまい、次のメンテナンス時期を前倒ししてしまっていることに他なりません。美観も大切ですし、コストも大事です。どちらを優先するのかは各ご家庭によって変わると思います。こちらは皆様ご自身で考えてどの選択をするかを決める必要があります。
3.まとめ
ここまで書いてきました通り、住宅を購入する前には、劣化しにくい材料や耐久性の高い素材を選び、購入後にはどうしたら生涯コストを抑えられるのかを考えることが大事なのではないでしょうか。
また、皆さまご自身のライフステージに応じて、お子様の進学など出費が重なるところにメンテナンスコストが被らないように計画することも「コスト」という面において非常に大事になってくるのかもしれません。
そして、昨今注目を浴びている高気密性能・高断熱性能を有する状態にすることも光熱費削減という側面では大事なことです。
今回さまざまな切り口でお伝えしましたが、大事なことは皆様ご自身の価値観に沿って動くということです。今回の記事が皆様のお役に立てれば幸いです。