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セルフチェック方法とプロに任せるべきタイミング
住宅を永持ちさせる為には「雨漏り」と「シロアリ被害」から住宅を守ることがポイントです。具体的には「屋根」「外壁」「ベランダ/バルコニー」を定期的にメンテナンスすることで「雨漏り」から守り、「シロアリ予防」をすることで「シロアリ被害」から守ることが有効的です。
実際にメンテナンス工事を行うには、足場を立てて高所で作業をしたり、床下に潜って狭い場所で作業するなど特殊な作業が出てきます。その為、どうしてもプロに任せることが多いかと思います。では、皆さん自身で住宅をチェックする方法はないのでしょうか。今回は「住宅セルフチェック方法」について触れることで、皆さん自身でやれることと、自身ではやらずプロに任せるべきことをご紹介してまいります。
目次
1.セルフチェック方法
住宅構造は年々進化しており、仕上げ材も多種多様なものが出てきています。すべての仕上げ材についてご紹介することは困難なため、ここでは代表的な仕上げ材を事例にご紹介していくこととします。
1-1.【外壁材のチェック方法】
・仕上げ:窯業系サイディング
・チェック方法:目視する、手で触る
・チェックポイント:
①外壁が色褪せしていないかどうか
②手で触って手に粉が付着しないかどうか(チョーキング現象)
③外壁塗膜が剥離していないかどうか
④外壁材にひび割れが発生していないかどうか
⑤シーリングに収縮や亀裂が発生していないかどうか
1-2.【屋根材のチェック方法】
・仕上げ:スレート瓦
・チェック方法:目視する(できれば双眼鏡で)
・チェックポイント:
①屋根材が色褪せしていないかどうか
②屋根材にひび割れや捲れが発生していないかどうか
③屋根塗膜が剥離していないかどうか
④板金が捲れていないかどうか
1-3.【ベランダ/バルコニーのチェック方法】
・仕上げ材:FRP防水
・チェック方法:目視する、手で触る
・チェックポイント:
①表面仕上げ材(トップコート)が色褪せしていないかどうか
②トップコートを手で触って手に粉が付着しないかどうか(チョーキング現象)
③トップコートにひび割れや剥離が発生していないかどうか
1-4【シロアリのチェック方法】
・仕上げ材:ベタ基礎
・チェック方法:目視する
・チェックポイント:
①外周部に蟻道がないかどうか
②床下点検口から覗いて蟻道がないかどうか
上記の通り、セルフチェック方法については特殊な道具などを使う必要はなく、皆さん自身で見たり触ったりすることで簡易的に行うことができます。
また、給湯器など「設備」については、それぞれの取扱説明書に沿ってチェックとお手入れをしていくことがシンプルで間違いないです。
2.プロに任せるべきタイミング
「プロに任せるべきタイミング」には大きく分けて2つあります。
1つめは、上記1.で記載した劣化事象が発生した時です。劣化事象が出始めてきたら当然劣化はさらに進行していきます。何もせずに自然に改善していくことはありません。「まだきっと大丈夫」と自己判断し、そのまま放置した結果「雨漏り」や「シロアリ被害」に遭ってしまっては、折角セルフチェックした意味もなくなってしまいます。『後の祭り』になってしまう前にプロにバトンパスすることが賢明な判断と言えるのではないでしょうか。
2つめは、『不具合がなくても定期的なチェックをしてもらう』です。これは人間でいうところの定期検診に当たる部分です。具体的には、「雨漏り」に関連するところは10年目、「シロアリ被害」に関わるところは5年目、それぞれプロのチェックを入れます。「雨漏り」に関する塗装や防水は10年程度で経年劣化していくものが多く、また「シロアリ被害」のための予防効果は5年で期待出来なくなるものが多いからです。その為、セルフチェックで「問題なし」と判断しても、上記タイミングでは「プロによる住宅版定期健診」を受けておくことをお薦めします。セルフチェックではチェックし切れないところの劣化などを見付けてくれるかもしれません。
3.まとめ
ここまで見てきた通り、皆さん自身でセルフチェックする方法があり、またプロに任せるべきタイミングもあることをご理解いただけたのではないでしょうか。勿論、上記の仕上げ材以外にも多種多様なものが世に出ており、その素材によってセルフチェック方法もメンテナンスの時期も変わってきます。その為、少しでもわからないことがあれば、新築したビルダーや工務店に聞いたり、信頼できる建築のプロに相談することがとても重要です。ご自身でできることはご自身で行い、やれないところは任せるといった使い分けがポイントです。
「うちはまだ先のこと」とは思わず、先手先手で準備しておくことが『心のゆとり』に繋がります。皆さんのペースに合わせて、セルフチェックを進めていき、大切な住宅を永持ちさせていっていただければと思います。