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住宅メンテナンスとは
◾️目次
- 住宅メンテナンスとは
- 住宅メンテナンスを行うメリット・デメリット
- まとめ
『一生で最も高い買い物』と言われる「住宅」。高価なものであるが故に購入する時には気持ちがどうしても高揚してしまいます。特に注文住宅であれば打ち合わせ段階から長期に亘り不安もあり、ドキドキやワクワクもあることと思います。しかし、お引き渡しを受けてしまうとなかなか愛着を持ちにくくなることもまた事実です。車を購入する前はドキドキしていた気持ちも、長年乗り続けるとその気持ちは落ち着き、人によっては手入れを怠ってしまう方もいらっしゃることに似ていると思います。
ただ、車であれば車検などを含めて法的な規制があることである意味、強制的に点検やメンテナンスを受ける環境が整っています。一方、住宅にはそういった強制的な制度などはありません。つまり、自己管理力が問われる部分といえます。
そこで、この記事では、そもそも住宅メンテナンスとは何なのか、またそれによるメリット・デメリットについて書いていきたいと思います。
1.住宅メンテナンスとは
住宅は購入した時点を起点として徐々に経年劣化をしていきます。住宅を購入する際に、その事実を皆様ご存知でない場合、というよりもむしろ新築引き渡し後の生活などで頭がいっぱいになり、その後のことを認識されていない場合が多いのではないでしょうか。
住宅メンテナンスとは、住宅の必要な箇所に必要な費用をかけて長寿化させることに他なりません。それを叶えるためには、いつ、どこに、どんな手入れをするのかを知らなければなりません。ただ、ここでは、具体的な手段の話をするのではなく、考え方についての話をしていきたいと思います。
最も重要なことは、優先順位を付けて着手していくということです。大きなものから小さなものまで建物すべてに費用をかけていては当然予算オーバーになってしまいます。だからこそ優先順位をつけて、優先順位の高いところから順に手入れをしていくことが肝要なのです。具体的には、木造住宅の場合、表面の仕上げ如何よりも骨組み、つまり柱などの構造躯体が健全であることが第一です。人間でいうと健康で丈夫な骨であるということです。その為、構造躯体である木材を良い状態で維持していくには、傷める原因となる2つのものから守っていくことが重要です。1つめが『水』、もう1つが『シロアリ』です。たとえば、雨漏りが発生しているにもかかわらずその事実に気付かずにいれば、木材は腐朽し、劣化が進行していきます。これはシロアリについても同じことがいえます。一方、内装の仕上げ材が傷ついたり、剥離したりしても住宅の寿命には殆ど影響を与えません。したがって、優先順位としては構造躯体を『水』と『シロアリ』から守ることを高くし、それ以外の仕上げ材については予算に余剰があれば着手していけば良いのです。ただ、実際に我々が様々な住宅に伺うと、優先順位を逆にしてしまい、住宅の短命化に繋げてしまっているお家が多いことに気付かされます。クロスの張り替えはしたけどその後雨漏りを発生させてしまうなどがその一例です。優先順位を間違えないことに注意が必要です。
2.住宅メンテナンスを行うメリット・デメリット
何を行うにしてもメリットとデメリットがあるように、住宅メンテナンスを行うにもメリットとデメリットが存在します。
◾️デメリット
①一時的な支出と一時的な時間的拘束が発生すること
何をするにも費用と時間が掛かります。たとえば、先述した車でいうと、車検を受けた結果タイヤ交換が必要だったとします。当然そこには然るべき費用が掛かります。タイヤ本体の価格はもちろん交換作業代や処分費などです。また、交換するには相応の時間を要します。技術が進歩し、時間的な短縮はあるかもしれませんがそれでもある程度の時間はかかります。
これは住宅メンテナンスにおいても同様です。具体的には、外壁メンテナンスの一つである外壁塗装工事を行うには10日以上の時間と数十万円以上の費用が掛かります。
◾️メリット
①安心して、長期に住まうことが可能となること
『水(雨漏り)』による被害と『シロアリ』による被害から住宅を守ることが出来れば、構造躯体に関わる大きな修繕費は掛からなくなり、また「この建物大丈夫?」といった不要な心的被害を受けずに済むようになります。結果として、安心して長期に亘り住むことができるようになります。
②住宅にさらなる愛着が湧くこと
住宅を建てる時や購入する時には、何かしらの思いを持っていたという方が多いのではないでしょうか。注文住宅であれば、素材や耐震性、または営業担当者の人柄などでビルダーを選択した方もいらっしゃるかもしれません。また建売住宅であれば、周辺環境やデザインなどが決め手となったのかもしれません。そして、1000万円以上の費用をかけている場合が殆どです。そんな大切にしていくべき住宅。そこにメンテナンスをしていくことで"思いを繋いでいく"ことでさらに愛着を持てることは素敵なことではないでしょうか。
③長期的な総費用と時間的拘束から解放されること
『デメリット』で先述した通り、住宅メンテナンスをすることで一時的な費用や時間的拘束は発生します。しかし、構造躯体に深刻な被害に遭った時に掛かる大きな修繕費やそこに要する時間と比較したらともに少なくなり、結果的にその建物に掛ける長期的な費用も時間を抑えることが出来るようになります。
3.まとめ
「住宅メンテナンス」をメリット・デメリットで見てきましたが、デメリットを大きく上回るメリットがあることはご理解頂けたのではないでしょうか。
折角『一生で最も高い買い物』といわれる住宅を持ったのであれば、それを如何に良い状態で、より長く、そしてより安心して使っていけるかがポイントです。その為にも優先順位をしっかり付けて、そこへ投資をしていくことをお薦めします。